復活のコアメダルを咀嚼する(ネタバレ有)

 

 

仮面ライダーオーズ10th復活のコアメダルを観てきた。

内容を吟味しようと思う

 

ネタバレを含むので、観ていない人はブラウザバック推奨

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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映画館を探すとき、Googleのサジェストに「ひどい」と出てきたので、観る前に不安になった

だとしても、大風呂敷広げて完結編というからには、それなりのストーリーだろうと思っていた。

 

個人的な感想として、観終わったときには、「エモに極振り、ストーリーはお粗末。」とツイートしたが、一日かみしめることで、物語に込められた意味と、それでも納得できない部分があるのとで、気持ちはあまりよろしくない。

 

 

いつも通り考察をしていきたい。

 

重要そうな要素

 

・800年前の王、古代王オーズが復活した

原因はともかく、まあ800年前に封印されたのが解けたとかなんとか、そういう設定があるとすれば理解できる。作中では一切言及がなかったが。

 

・グリード達が復活

彼らの意識の込められたメダルは、アンクも含めて本編で破壊されたのでは?

2つに割れたアンクのメダルはくっつけばワンチャンあるとしても、メダルが砕かれた描写のグリード達は、新たにメダルを作られたとしても、過去の記憶を持っているような状態での復活は無理なのでは?

 

そもそも敵グリードにしても、アンクにしても、コアメダルの錬金方法が曖昧有耶無耶なまま、なんとなく復活しているのが、どうももやもやするような、ご都合主義が見え隠れするような、そんな気持ちになる。

 

ネット版、序章には、映司がアンク復活の方法を見つけたと言うシーンがあるが、本編では一切言及なし。

 

 

・人工グリード・ゴーダ

ムカチリメダルのゴーダ、映司の欲望のデータをもとに作られたと言及があり、過去の映司の言動を真似るような様子を見せる。しかし、映司そのものではないため、映司の欲望の本質を理解できず行動の上辺だけ真似るため、アンク初め全員から偽物とすぐバレる。映司が古代王との戦いの中、少女を庇って重症を負った後行方不明になるが、その後表舞台に出てきたときにはゴーダが憑依していた。

 

その後なんやかんやあって、見事にグリードとしての役割を果たして倒されました。

 

 

今作の内容を吟味するにあたって重要なポイントは、

 

①アンク復活の目途が立った瞬間

②映司が古代王に敗北した瞬間=映司がアンクのメダルを復活させた瞬間=少女を庇って致命傷を負い、映司が死亡した?瞬間

③ゴーダ戦前後の時間(ゴーダから排出された映司にアンクが憑依して共に戦ったのち、映司がアンクを突き放して、死亡するまで)

 

に何が起こっていたか、またその間の映司の感情であり、これの解釈次第では、今作はいい作品だったと言えるようになるかもしれない。

 

 

①アンク復活の目途が立った瞬間

ネット版・序章では、方法が判明したことを明かしている映司。

方法については一切言及されないが、旅を続けていた映司が帰ってきたのは、古代王の復活だけでなく、鴻上ファウンデーションにアンク復活の協力を依頼するためだったのではないか?

世界中を旅して情報を集めた映司は、おそらく錬金術やコアメダルの生成に関わる情報を得たため、鴻上ファウンデーションに情報を提供することで、アンクのコアメダルの修復を依頼しようとしたのではないだろうか。

そして、鴻上ファウンデーションはその対価として、新たなコアメダルを生成するために、ムカチリメダルを映司の体内に埋め込んだのではないか。

作中で、ムカチリメダルは、映司の欲望のデータから生成されたとあるが、その具体的方法として、映司の体内に埋め込むことで、映司の思考や感情から欲望を覚えさせることだったのではないか。

 

 

②古代王に敗北した瞬間

・少女を庇う瞬間

映司の過去の経験と重なる瞬間で、過去にかなえられなかった欲望を再びかなえようとするこの瞬間に、ムカチリメダルが真のコアメダルとなった説を提唱する。

 

・アンクのメダルを修復する瞬間

この瞬間には、瀕死の状態とはいえ、映司はムカチリメダルを内包したオーズであり、古代王と同等の力を持っていたのではないかと推測される。故に、グリードを復活させた古代王と同じく、アンクのコアメダルの修復が可能だったのではないだろうか。

 

(この考えに至る前、観ている間は映司の最期の欲望がコアメダルに作用したものと思った。

 

・映司が死亡した瞬間

映司が死亡し、映司の意識が失われることで、ムカチリメダル=ゴーダは意識を得たのではないだろうか

作中では、ゴーダはこの瞬間に意識が表に出てきた的なことを言っていた気がするが、本当はこの瞬間に意識が初めて生まれたのではないか。

 

 

③映司アンクがゴーダと戦った後に死亡する瞬間

「今日という日を明日にするのも、欲望だ!」

って本編最終話で会長が言っていたことを踏まえると、映司には明日を求める欲望が無くなった、すなわち求めていた欲望は全て叶った、と読み替えることが出来る。

かつて少年を救えなかった自分を憎みどこまでも伸ばせる手を欲したのも、今回救おうと思った少女を救うことが出来てオッケー、アンクを復活させるいつかの今日も迎えることが出来てハッピー、悔いはないから映司は生きることに執着しなかった。

「終わって初めて、人として完成する」

ドクター真木の言葉を借りるならば、これにて火野映司/仮面ライダーオーズの物語は完結、

と、好意的には解釈できると思う。

 

 

 

しかし、映司は本当にそれで満足して死んでいったのか?

 

古代王オーズによって壊滅した人類には、たしかに争いはなくなったのかもしれない

しかし、壊滅した人類には多くの苦難が待ち受けているだろう。

それを助けられずに死んでいく映司はどういう気持ちなのだろうか

 

 

 

 

本筋には関わるような関わらないような、細やかに気になるところ

・古代王のオーズドライバーと、映司のオーズドライバー、なぜか2つある件

・ウヴァさんひとりの失態でグリード全員連帯責任で吸収される

・古代王、知らないメダル(恐竜)を体内に持っている件

・ご都合主義的な、突然のタジャドルエタニティメダルへの変色

・毎度アンクに憑依される信吾さんカワイソス

 

 

意見はいろいろあるけど、実際エモくてかっこよくて、まあよかったとも言えなくはない作品だった。

 

まだ、シガゼシとセイシロギンが残ってるからね。